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kimbaraKCP校長ブログ

  KCP地球市民日本語学校校長・金原宏のブログです。

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日記

12月22日(月)
 毎学期、期末テストの日には、アメリカの大学のプログラムで来ている学生の修了式があります。修了証書をもらった学生は、その場でスピーチ(もちろん日本語)をすることになっています。
 Aさんは今年の1月からちょうど1年間KCPで勉強しました。レベル1に入学し、レベル4まで上がって終了式を迎えました。そのAさんは、毎日日記をつけています。ゆうべ、日本へ来た最初の日の日記を読み返してみたそうです。「ずいぶん違う」という言葉で表現していましたが、自分自身の進歩が実感できたのではないでしょうか。
 日記は、毎日書き続けて初めて意味が出てくるものです。辛いことも楽しいことももらさず記録するからこそ、後で読み返したときに感激があるのです。日記といえば三日坊主ですが、多くの人がそうなってしまうのは、やっぱり面倒くさいからでしょうし、読み返して感慨に浸る日が遠すぎて待てないのでしょう。1年じゃ普通は感慨に浸るまでに至らないものですが、KCPの、しかもレベル1から4までの1年は、Aさんにとって激動の1年だったに違いなく、帰国を前に読み返してみると、そこに1年前の未熟で幼い自分を見出したのでしょう。
 それにひきかえ、書類上は今日付け退学のPさんのような学生もいます。今年の1月にレベル4、そして、今日、レベル5の期末テストを受けなかったのですから、学籍簿上はレベル4修了です。遊び続けたあげく、日本語は進歩が見られず帰国です。確かに日本で過ごした1年は楽しかったでしょうが、それがPさんの人生にどれだけ資するものになったかは、はなはだ疑問です。
 Aさんは、明日帰国しますが、是非また日本へ戻って来たいと言っています。Aさんのような学生なら、大歓迎です。この次はどんな日記が書き継がれるのでしょうか。

  • 2014年12月22日(月)18時43分

いい決断

12月20日(土)
 今日もまた、冷たい雨が降りました。最高気温は10度に届きませんでした。天気図を見ると南岸低気圧のパターンで、低気圧のコースがちょっとずれると雪になるかもしれない気圧配置です。お昼に外に出るにもコートを着込んだ厳重装備です。手袋をしても指先が冷たくなりました。
 今学期は月曜の期末テストを残すだけです。そして今年ももう11日を残すのみです。いつの間にかお正月のお飾りが出始め、年の瀬ムードをあおっています。学生たちの中には、期末テストが終わったらすぐ一時帰国する人もいます。みんな来学期の直前まで国で過ごすようです。私は海外留学の経験がありませんからよくわからないのですが、新年あるいはクリスマスのような1年の中でも大きな行事を国外で迎えるというのはさびしいものなのでしょうか。それに向けて帰国するというのは、また格別な味わいがあるものなのでしょうか。一時帰国を申請する学生の浮き立つような顔を見ていると、そんなことを考えてしまいます。
 そんな中、先日ここで取り上げたPさんが、ついに退学を決意しました。こちらは片道切符の帰国です。いい決断です。ゴネまくって無理やり継続登録したところで、結果は見えています。今はショックでしょうが、きっとこれを糧に立ち直ってくれるものと信じています。尾羽打ち枯らして帰る形ですが、この失敗から将来につながる何かをつかんでもらいたいです。KCPや私を恨むのも勝手ですが、それだけじゃ、あなたの人生においてKCPに在籍した時間は青春の無駄遣いにしかなりませんよ。
 来週の土曜日は私たち教職員も年末年始休暇です。来週の今頃は、名古屋のホテルでのんびりしているんじゃないかな。来週は今年の総まとめです。

  • 2014年12月20日(土)20時27分

スリルと醍醐味

12月19日(金)
 月曜日が期末テストなので、今日が授業の最終日です。この日の担当はやり残しが許されないので、責任重大です。今学期は金曜日が午前午後とも授業だったので、責任重大×2でした。
 午前中の上級クラスは、そもそもやり慣れているし、進度に余裕があったし、どうということなく終わりました。それに対して、午後の初級クラスはやりつけていないし、けっこう盛りだくさんだったし、それに加えて昼休みが忙しくて準備に時間が割けず、綱渡りをするような気持ちで教室に向かいました。もちろん、そんなことは学生の前ではおくびにも出すわけにはいきません。
 4階の教室まで階段で上がっていく間に時間配分だけでも計算し、教室でパソコンの準備をしている間に授業のシミュレーションをし、何とか予定を全て終わらせる算段をつけて授業開始の1:30を迎えました。
 ところが、今日は最終日とあってまとめの練習問題みたいな授業内容が多く、そうなるとあれやこれやと質問が出てきます。最終日でなければ、わかっていそうな学生を指名して答えさせるってこともしますが、今日は泥沼にはまってはいられませんから、それはナシ。それどころか、期末直前なので、そんなことわかってるはずのよくできる学生まで目を輝かせてこちらの答えを待ち構えます。1つにきちんと答えると続々と出てきます。みんな進級したい気持ちに変わりなく、そのためには疑問点をクリアにしておきたいのです。
 さらに引継ぎのときの私の勘違いからやるべきことが増え、学期休み中の生活の注意に関する一斉放送が予想より長引き、予定変更の連続となりました。でも私は、この予定変更こそが授業の醍醐味だと思っています。素早く計算して、どうすれば学生も満足しこちらも予定の進度を終了できるか、それを考え出し、実行に移していくというのは、魂が躍り上がるほどスリリングです。
 今日もそれをたっぷり味わい、何とか試験範囲を全て終わらせられました。とっても充実した1日だったような気がします。

  • 2014年12月19日(金)21時54分
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