4月7日(火)
昨日の入学式の挨拶では学生たちに希望を持たせるような話をし、今日の受験講座のオリエンテーションでは学生の夢をぶち壊すようなことを言う――全くもって正反対のことをしています。話しながら、嫌なやつだなと思いました。でも、受験は現実であり競争であり、自分を直視できなければ勝てません。夢と現実との距離を正確に把握し、その距離を埋めるためには何が必要かを認識しなければ第一歩が踏み出せません。
国立大学に入りたいという気持ちはよくわかりますが、国立大学は全国の日本語学校生のみならず、国外(=学生たちの母国)から出願する学生にも人気の的です。国でいい大学に入れなかったから日本でいい大学に入る、などという考えは、あまりにも日本の大学をバカにしています。国でいい大学に入れなかった学生は、よほど奮起しない限り、日本のいい大学にも入れません。
KCPは進学してからのことも考えて教育しています。学生を大学に入れるだけなら、たとえば問題集をひたすらゴリゴリやれば何とかなるでしょう。でも、それでは大学で学生の人生を形作る勉強などはおろか、ろくな交友関係も築けないでしょう。そうならないように、自ら考え発信できる人間に育ってもらおうと思っています。
これは学生にとっては楽な勉強にはなりません。高すぎる要求かもしれませんが、私たちはそういうことを考えて学生に対しています。留学生活は楽しいことばかりじゃありません。特に進学を考えている学生には、自ら進んで苦難の道を歩んでもらわねば困ります。だから、容易に夢は叶えられないという意味をこめて、厳しい話をしたのです。