不安の先に

9月6日(火)

Sさんも先週末W大学の入試を受け、今週末に面接試験を控えています。先週の試験は数学の出来が悪かったようで、面接で何とか挽回し、合格に結び付けたいと考えています。そう思うからなおさらプレッシャーがかかり、頭の中はもう面接のことでいっぱいです。そういう様子が手に取るようにわかります。

そのSさん、今朝、授業が始まる前に職員室へ来て、面接で志望理由などをどう答えたらいいか、私に聞いてきました。SさんはW大学に提出した志望理由書とは食い違う志望理由を挙げてきました。確かに、志望理由書を提出してから1か月か2か月たちますから、考え方が多少変わるのはやむをえないところもあります。Sさんの日本語力は今が伸び盛りですから、出願した時にはうまく表現できなかったことが表現できるようになったという面もあるでしょう。たとえそうだとしでも、方向違いの話をするのは、あまりよくはありません。気が変わった理由がきちんと説明できるならまだしも、Sさんの力はそこまでは伸びていません。

大学が受験生の日本語の伸び代を見てくれるのなら、Sさんにも勝ち目はあります。しかし、今この時点での日本語力だけで評価されるとなると、Sさんは苦しい戦いを強いられてしまいます。しかし、Sさんには理系のセンスがあります。そこをどうにか見てもらえないかと思っています。でも、理系科目については、先週の試験の結果で評価されるんでしょうね。

さらに悪いことに、Sさんはこの面接が初めての面接です。それゆえ、一層不安も募り、はたで見ていて気の毒なほど緊張もしています。このままでは夜も寝られないのではないかと思えるほどです。クラスの先生にも相談したら「面接はQ&Aではなくてコミュニケーションだよ」と言われ、またまた混迷の度合いを深めてしまいました。Sさんの心は安んじる暇がないようです。

でも、みんなこの壁を乗り越えて進学しているのです。面接まで時間がありませんが、精一杯心配して、精一杯緊張して、その圧迫感を跳ね除ける胆力を身に付け、吉報をもたらしてもらいたいです。

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