7月14日(木)
初級クラスでスピーチコンテストの原稿を書かせました。上級に比べ使える語彙が少ないからなのか、似たような文章が多かったです。やはり、自分の身の回りのことが中心になり、「日本の生活は大変ですがおもしろいです」とか、「頑張って日本語を勉強します」とかという結論が続出でした。せいぜい、自国と日本の文化を比べてあれが違いとかここが違うとかいう程度です。
学生たちは一番若くても18歳ぐらいですから、もっともっと深い思索があってしかるべきです。しかし、学び始めたばかりの外国語である日本語でその深さを読み手に感じさせることは不可能です。だから、自分の手が届く範囲で妥協しようというのでしょう。
それはやむをえないことではありますが、クラスのすべての学生に妥協されちゃったら、教師としては立つ瀬がありません。2人ぐらいは無理を承知で分不相応の難しいテーマに取り組んでもらいたい気持ちもあります。みんながみんな、書ける範囲でとなってしまうと、チェックは楽でいいのですが、拍子抜けの感は免れません。
書ける範囲といっても、学生にしたら精一杯背伸びしているのかもしれません。現に、Cさんなどは途中まで書いた文章を何度も私に見せて、これで合っているかと聞いてきました。習ってはいるけれども、自分の考えを表す文章で使うのは、おそらく、初めてだったのでしょうから、不安でたまらなかったのだと思います。
私のクラスに限らず、どこも同じような話だったみたいです。スピーチコンテスト本番までの間に、スピーカーをどこまで鍛え上げるかが、勝負の分かれ目です。