上がる、ほしいです

3月31日(火)

初級のYさんは今学期の成績が思わしくなく、上のレベルに進級できません。それを伝えるためにYさんに電話を掛けました。私がその旨を伝えると、予想通りYさんはごねました。もう少し正確に言うと、口調から何とか上がりたいと言っているのであろうと感じ取ったのであり、Yさんの言葉そのものは何を言っているのか今一つわかりませんでした。そして、ついに、「先生、上のレベル、上がる、ほしいです。いいですか」ときました。これを聞くに及んで、もう完全にダメだと思いました。だって、これは誰が考えたって「上のレベルに上がりたいです」でしょ。一番下のレベルで習う文法ですよ。Yさんは進級どころか降級したほうがいいです。

誰だって進級したいでしょうが、無理に進級したっていいことは1つもありません。Yさんは期末テストの全ての科目で不合格でしたから、上のレベルの授業は何一つわからないでしょう。言葉のレベルが低すぎて、いずれクラスの誰からも相手にされなくなるでしょう。母国語でおしゃべりするときだけ元気な学生じゃ、その程度のお付き合いしかしてもらえません。

20分ぐらい粘った末に、Yさんはついにあきらめました。会って相談したい(Yさんは「明日、相談してあげてもいいです」と言いました)という頼みも、会っても答えは変わらないと突っぱねました。Yさんは一生懸命勉強したと言いましたが、勉強したとは思えません。必死に勉強してこんな程度の日本語しか身に付かないのなら、日本語の習得に割く時間を別のことに使ったほうがYさんの人生のためです。

Yさんは日本で進学するつもりでいます。それならなおのこと、ここで基礎固めをして踏ん張らねばなりません。それがわかっているのかな…。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です