大学をほめる

6月16日(木)

先生、志望理由書でどのくらい大学をほめますか――受験講座の教室に入ると、いきなりSさんに尋ねられました。Sさんも、W大学への出願準備を進めている最中です。

どこの大学の先生でも、志望理由書の中で志願者に自分の大学をほめてもらっても、あまりうれしくないでしょう。特に、ホームページやパンフレットなどから引っ張ってきた文言だったら、下手をすると、それは志望理由書を読んでいる先生が書いたものかもしれません。自分の書いた文を読ませられても、その志願者に対する評価を高める気は起きないでしょう。

志望理由書を読む先生が本当に知りたいのは、志願者が自分の言葉で語った夢です。その夢の実現のために、自分たちはどんな形で力を貸せるだろうかと考えるのが、教育者としての面白みじゃないのかなあ。だから、読み手にそういう喜びを感じさせるような内容が書かれていれば、その志望理由書の先に合格が見えてきます。

読み手が喜びを感じても、みんなと同じことを書いたら、意味がありません。他の志願者が書けないことをどれだけたくさん書けるかが、勝敗の分かれ目です。それが、オリジナリティーです。また、出願に先立って自分の将来と正面から向き合うことに、大学での学びの出発点があるのだとも思います。

そういうことをSさんに言うと、Sさんはがっくりと肩を落としていました。Sさんの志望理由書を読んだわけではあありませんが、中身はだいたい見当がつきました。日曜日のEJUが終わったら、全面的に書き直しですね。ここで志望理由書の骨組みをがっちり作っておくことは、他大学への出願や面接試験対策においても有意義です。

来週の木曜日は期末テストです。その頃、Sさんのパワーアップした志望理由書が見られることでしょう。

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