5月31日(火)
中間テスト後の学生面接が始まっています。
Jさんは今学期の新入生で、大学進学希望です。国で日本語を勉強してきたので、初級クラスに入れられたことが不本意なようです。今のレベルではEJUの勉強よりも日本語の基礎固めを優先していますから、Jさんにとっては優しく感じているのでしょう。でも、中間テストの文法は何とか合格点という程度であり、間違えた問題を再度問い直してみても、正しい答えは返ってきませんでした。授業をちゃんと聞かなかったからだということは明らかです。
Jさんは「みんなの日本語」はすでに3回勉強していると言いました。初めてのときは、先生に教えてもらいながら多少はまじめに勉強したことでしょう。でも、2回目は漫然と読んでいただけだったに違いありません。だから、復習になんかなりません。3回目の今回は、ただ教科書を広げているだけで、心は全然別のところへ飛んでいるようですから、新たな発見などあるはずがありません。おそらく、最初の理解から大して深まっていないのです。それゆえ、3回も勉強したのにやっと合格点しか取れないのです。
Jさんは、断片的には、難しい文法やあっと思わせられるような単語を使います。でも、それは断片的に過ぎません。背伸びして勉強した文法や単語を使ってはみますが、そしてそれが当を得ていることもありますが、私から見れば一発屋です。そういった言葉をコンスタントに使いこなし、まとまった内容の事柄が話せたら、Jさんが自己評価しているであろうレベルだと認めてあげてもいいのですが、それには程遠いですね。
一番怖いのは、Jさんの日本語力がこのまま固まってしまうことです。EJUの4択問題はテクニックでどうにかなったとしても、それ以降の力をどうやって付けさせていけばいいでしょうか。テクニックで入ったって、進学してから苦労するだけなのにね。