4月20日(水)
今朝、誰もいない職員室で仕事をしていると、電話が鳴りました。「おはようございます。××クラスのLと申しますが、S先生いらっしゃいますか」「すみません。まだいらっしゃってないんですが…」「それでは、申し訳ありませんが、S先生に、風邪を引いたので今日は欠席すると伝えていただけませんか」。中級の学生でしたが、発音もきれいで、非の打ち所のない話し方でした。モデル会話として録音しておけばよかったと思ったほどです。
最上級クラスの学生でも、ちょっと硬い場面での会話となると、すでに習ったはずの表現がすんなりとは出てこないものです。目上の人に頼みごとをするという想定で発話内容を考えてもらったのですが、いきなり頼みごとに入ってしまう学生が続出。みんな、依頼の表現をいかに丁寧にするかに気を取られている中で、唯一、Yさんが「すみませんが、今、お時間よろしいでしょうか」という、相手の都合を聞く言葉から始めてくれました。
いくら内装を豪華にしても、玄関がみすぼらしかったら、その立派な内装を見てもらえないかもしれません。「なんだ、こいつ」と思われて、自分の言わんとしていることを聞いてもらえなかったら、そこまでいかなくても悪い第一印象をもたれてしまったら、結局損を被るのは自分自身です。日本人って、みょうちくりんなところに地雷を抱えていますから、その地雷を踏まないようにするにはどうしたらいいかということを、初級の段階から少しずつやってきています。それが、なかなか完成の域に達しないんですねえ。
このクラスの学生には大学院進学希望の学生が多く、そういう学生にとっては、進学するまででも、してからでも、玄関口を飾る話し方は不可欠です。内装は進学担当の先生方が個別にがっちり整えてくれることでしょうから、こちらは全学生標準装備の水準を上げることに専念していきます。