4月12日(火)
Lさんは新入生で初級クラスに入れられたのですが、自分はもっと上のレベルだと信じていて、昨日はだいぶ反抗的な態度を取っていました。
今日は授業の最初にテストがあり、Lさんは制限時間の5分前ぐらいにできてしまいました。すると、答案用紙を提出するでもなく、机の上にEJUの問題集を出すではありませんか。即刻注意して引っ込めさせました。
テストの次は在校生なら先学期勉強してきた文法を使ったQ&Aです。Lさんは質問は聞き取れたようですが、答えは文ではなく単語で、しかも発音が悪く、私が聞き取れませんでした。日本語教師を惑わす発音ですから、Lさんの日本語は普通の日本人には通じないでしょう。
休憩時間を挟んで教室に戻ると、Lさんは日本人高校生向けの物理の問題集を出していました。休憩時間に何をしてもかまいませんが、教師が戻ってきたら授業に関係のないものは片付けるのが常識というものです。しかし、Lさんは出しっぱなし。これまたただちにしまわせました。
こういうLさんを見ていて思い出したのが、Yさんです。Lさんと同じレベルのとき、やはり日本人向け問題集を買い、EJUの過去問はすべて解けると豪語していました。受験講座でもマイペースを崩さず、もしかするととんでもない大物かもとかすかな期待も抱きましたが、ふたを開けてみれば、平均点を取るのがやっとというありさまでした。それでも無謀な挑戦を続け、挙句の果てに、Lさんが思い描いていた大学よりは5段落ちぐらいの大学にかろうじて滑り込むのがやっとでした。
LさんにはYさんを髣髴とさせる空気が満ち溢れており、非常に心配です。今、私たちが何を言っても聞く耳を持たないでしょう。痛い目にあって目を覚ましてくれればいいのですが、Yさんのようにそれを痛いと感じずにわが道を歩み続けるような気がしてなりません。
Lさんは理科系ですから私がどうにかしなければならないのでしょうが、なんだか気が重いです。