同国人のわな

3月19日(木)

Bさんは今学期の新入生で、日本の生活に慣れてきた先月からアルバイトを始めました。国の人が経営していれば有利な条件でアルバイトできるだろう、多少の無理も聞いてもらえるだろうと思って、そういう店を選びました。

ところが、同国人なら無理を聞いてもらえるだろうと考えたのは経営者も同じで、Bさんは毎日のように仕事の時間を延ばされ、最初の契約などないに等しい状況に陥りました。疲れて学校に通えないほど働かされ、最近は欠席者リストの常連になってしまいました。

Bさんもこれでは本末転倒だと思い、今週始めにそのアルバイトをやめました。そして、昨日からまた以前のように明るい笑顔で教室に戻ってきました。

私は海外で生活したことがありませんから、外国暮らしにおける同国人の重さやありがたさがわかりません。私は群れるのはあまり好きじゃありませんが、そういう環境に置かれたらやっぱり日本人を頼るのかもしれません。だから頭ごなしにBさんを叱り飛ばす気にはなれません。1か月で抜け出したのは賢明な判断だったと思います。こうして痛い目に遭ったのですから、今度アルバイトを始めるときは、こんなブラック企業並みのひどいところには引っかからないようにしてもらいたいです。

Bさんにとっては高い授業料だったと思います。欠席が続いたため、進級が危うくなってしまったのですから。期末テストまでよほど奮起しないと、来学期も同じレベルです。もしそうなったら、3か月という時間と1学期分の授業料を捨てたのに等しいです。まだ若いですからやり直しが利くとはいえ、心の傷は深いものになるでしょう。

だから、Bさん、これから期末テストまでは、あなたの人生を左右しかねない重要な時間なんですよ。わかってますか。

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