3月5日(土)
9時ちょっと前に四谷区民センターの9階へ行くと、すでに知った顔がちらほら。授業の時とは違い着飾っているので、挨拶の声を聞いて誰なのかわかることも。
卒業式は、卒業証書をもらうか修了証書をもらうかが学生にとって運命の分かれ道ですが、我々教師にとってもその年度の総決算を意味します。今年度は卒業証書がもらえるだろうか、頑張ったけど修了証書どまりだろうか、私は毎年そんなことを考えながら、一人ひとりの学生に証書を渡しています。
Aさんは伸びたと思えれば卒業証書に近づくし、Bさんの出席率は結局改善されなかったと思えば修了証書のほうに引っ張られます。Cさんを無理だと思っていた第一志望校に入れたのは殊勲賞だけど、Dさんの行き先が決まっていないのは指導力不足だったかな。Eさんは苦手の漢字を克服したけど、Fさんの漢字嫌いはどうにもなりませんでした。入学時はあんなに純真だったGさんがやさぐれてしまったのは私たちのせいかな。最後の3か月でこちらを向いてくれたHさんは、KCPにも心を開いてくれたんでしょうか。
毎年、思うところがたくさんあるのですが、今年は去年より卒業生が多い分だけ、私の前に立つ学生の顔を見ながらこの1年の自分自身を見つめなおす時間もたっぷりいただけました。
午後は卒業生と教師の交流パーティー。琴の「ふるさと」に学生たちがKCPを思い出すときのことを重ね合わせ、歌クラブの卒業生・Iさんの涙に心を揺さぶられ、演劇部の演技とセリフの自然さに魅了され、ダンスクラブのパフォーマンスにはこれまで同様圧倒されました。でも、今年の目玉は、教師の合唱です。学生に隠れてこっそり練習した成果を披露すると、Jさんは涙をあふれさせていました。
式は会場の都合上ゆっくりできませんでしたが、交流パーティーは卒業生も教師も十分に感慨に浸ることができました。どの先生も、寿命が10年ぐらい縮みそうなくらい、卒業生に挟まれた写真を撮られていました。
これだけ学生に慕われたのですから、私たちもかろうじて卒業証書をもらえるでしょうか…。