朝の差し入れ

4月16日(水)

昨日は選択授業の小論文の授業があったのですが、会議やら日本語プラスやらで、全く読む時間がありませんでした。ですから、朝一番で、誰もいない職員室で読み始めました。朝は頭もさえているし、余計な仕事が舞い込む心配も少ないし、作文類の添削にはもってこいの時間です。

そういうわけで小論文を読むことに集中していると、6時半ごろでしょうか、職員室のドアを控えめにノックする音が聞こえました。“あ、やっぱり来たか”と思いながらドアを開けると、予想通り、そこにはMさんが立っていました。昨日の晩、事務局のCさんから、Mさんが朝早く学校へ来るかもしれないと言われていました。

Cさんによると、新入生のMさんは満員電車には絶対に乗りたくないので、始業日以来毎朝早く家を出て、学校の近くで時間をつぶしていたそうです。喫茶店もろくに開いていない時間帯なので、バス停のベンチで過ごした日もありました。それを不憫に思ったCさんが、それなら金原がいることだし、校舎内に入れてあげたらどうかということになったのです。

「先生、これどうぞ」と、Mさんは紙袋を差し出しました。お礼のつもりなのでしょうか、スウィーツの差し入れをいただきました。授業が始まる9時近くまで2時間余り、ラウンジで勉強すると言っていました。

Mさんはご両親の元で大切に育てられたらしく、まじめで素直な学生です。大切に育てられすぎたので、満員電車は絶対ダメなのかもしれません。日本人からすると常識外れっぽいところもありますが、日本の生活に慣れてくれば、いつの間にか乗れるようになっているかもしれません。

Mさんからの差し入れをいただきながら小論文を読みましたが、難解なものばかりでした。1つの文が数行にわたり、原稿用紙1枚に段落がないというのが続きました。スウィーツがなかったら、7時半には心が折れていたかもしれません。

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