誰が書いたの?

3月4日(火)

来週の水曜日が卒業式なので、上級の選択授業は今週が最終回です。卒業式で大半の学生がいなくなってしまうため、それ以降は選択授業が成り立たなくなるのです。

毎週火曜日に担当してきた小論文も、最終回を迎えました。この選択授業・小論文では、しっかりした根拠に基づいて論理的に書くということを目標にして、毎週600字程度の小論文を書いてもらってきました。ですから、課題を発表してから、インターネットで調べる時間を与えました。調べ終わったらスマホなしで書くという進め方をしてきました。

そうやって書いた(はずの)学生の小論文を読むと、まとまりすぎている文章が、毎週いくつかありました。根拠を調べる時間に、それっぽいことが書いてあるページを見つけて、それを丸写ししたのかもしれません。あるいは、ChatGPTなどに書いてもらったのかもしれません。

このような文章は、まとまってはいるのですが、濁点が落ちていたり、促音の「っ」が余計なところに入っていたり足りなかったり、「、」と「。」を書き違えていたりなど、文章の内容にそぐわない間違いが随所に見られます。しかし、現場を見ていないので、「コンピューターに書いてもらったでしょう」と断罪するわけにもいきませんでした。

しかし、先月末の中間テストと卒業認定試験では、下調べは一切なしでした。すると、今まですばらしい小論文を書いていた学生が、急に意味不明の日本語の羅列を書き綴りました。見事と言うほかない落差でした。

最終回では、クラスの学生が書いた誤文をピックアップし、それを訂正してもらいました。化けの皮がはがれた学生のウルトラ誤文も載せようと思ったのですが、クラスで一番優秀な学生でも直せそうもなかったので、もう少し直しやすいのにしました。

反則技を使った学生たちは、卒業していきます。「大学に入ったら、もう少し上手にAIを使おうね」と皮肉ってやろうかとも思いましたが、誤文訂正の所でボコボコにしましたから、やめておきました。

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