2月1日(月)
卒業文集には卒業生の作文のほか、各クラスで撮った動画も載せます。今日の私のクラスは、その動画の撮影日。大きな白い紙に各自がメッセージを書(描)いている様子を映すというものです。準備万端整い、朝からすぐ撮影のつもり…だったのですが、出席をとると、肝心の大きな白い紙を持って来ることになっているPさんがいないではありませんか。カメラが借りられるのは授業の前半だけだし、どうすればいいかと頭の中ですばやく計算し始めた時、4分ほどの遅刻でPさんが教室に駆け込んできて、事なきを得ました。
Hさんが指示を出しながらカメラを回し、学生たちは黙々とメッセージを書き、撮影は粛々と進みました。先週、何を書くか決めてくることを宿題にしておいたので、紙を目の前にして考え込むような学生はいませんでした。みんなかなり力のこもった言葉を書いていたので、ちゃかしたり冷やかしたりすることもなく、ふだんの授業よりも厳かな雰囲気でした。
美術系の大学に進学することが決まっているOさんには、特別枠で大きな絵を描いてもらいました。将来、Oさんが有名になったら、このDVDは価値が出るよなんて言ったら、Oさんははにかんだように笑っていました。そして、最後に、その巨大な寄せ書きを掲示板に張って、みんなその前に集まって記念撮影。Oさん以外はみんな一言しか書いていないのに、とっても大きな仕事を成し遂げたかのような満ち足りた顔をしていたのが印象的でした。“作品”をこのまま卒業式まで張っておきたいというので、午後の先生に断って、掲示板をしばらく占拠させていただくことにしました。
最近は、国で勉強ばかりしていて、クラスや学校全体で一つの仕事を成し遂げるという経験をしていない学生が目立ちます。スピーチコンテストやバーベキューなどの学校行事、そしてこうした卒業制作みたいなことを通して、そういうことの楽しさを味わってもらっています。今日のこの経験も、このクラスの学生たちに何物かを残したと信じています。