静けさ

2月7日(金)

金曜日のクラスはおとなしいクラスで、学生たちはめったなことでは発言しません。でも、指名したらまともな答えが返ってくるのが不思議なところです。能ある鷹は爪を隠すと言えば聞こえはいいですが、発言しないと無能と判断されるのが世の中の常識ですから、このままではKCPを出た後で大損しかねません。

Kさん、Sさん、Cさんなどは、読解の教科書を読ませると実に滑らかに読みます。本人たちも自分は日本語がスラスラ読めるという自信があるんじゃないかと気づいているはずです。だけど、それ以上のことはしないんですねえ。「“逝かせてくれ”とはどういう意味ですか」と聞いても、誰も答えてくれません。Kさんたちなら当然答えられるはずなのに、指名されるまでは口を開きません。その一方で、私が何か説明すると、しっかりノートを取りますから、勉強する気は十分あるのです。

私の授業の時だけそうならば、私の授業の進め方が悪いせいだと言えますが、他の先生方の日も水を打ったような静けさが続くのだそうです。これは、もう、指名するまで口を開かないというのは、このクラスの文化なんですね。先学期もだいたい同じメンバーで、同じような雰囲気だったそうですから、クラスの伝統文化と言ってもいいでしょう。

これだけ堅固な文化を築いてしまったとなると、卒業式までに打ち崩すのは非常に難しいでしょう。でも、卒業後、学生たちの頭に残るKCPのイメージって、どんなものなんでしょう。位い目地しか残らなかったとしたら、教師として辛いなあ…。

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