1月30日(土)
Aさん、Mさん、Fさん、Oさん、Gさん、Sさん、Lさん、Jさん、Hさん…今シーズンは関西の大学に行きそうな学生が目立ちます。私の近くでたまたまそういう学生が多いだけで、実際には昨シーズンとさほど変わらないのかもしれませんが、進学先として抵抗なく関西の大学を選ぶようになったと思います。
一昔前は、学生は東京から動こうとしなかったものです。埼玉、神奈川など、東京の隣県すら行こうとしませんでした。震災があってからでしょうかね、東京の外へ出て行く学生が増え始めたのは。原発事故で東日本は危ないと叫ばれたおかげ(?)で、学生の目が関西にも向けられるようになったように思います。
もう一つ、学生が豊になったことにも関係があると思います。アルバイトが日本留学の必須条件という学生にとって、せっかくつかんだアルバイト先を手放すことは死活問題でした。でも、最近はそこまでの苦学生は少なくなりました。アルバイトは純粋に社会勉強という学生にとって、東京にこだわる必然性はありません。
東京は日本最大の都市だし、秋葉原や原宿のように国でも知られた町もありますから、一度は住んでみたいですが、日本語学校にいる1年か2年で楽しみ尽くせば、大学生活は別の都市で送りたいと考えているのではないでしょうか。その別の都市として、京都や大阪や神戸という関西がターゲットになったと考えられます。
もちろん、関西に魅力的な勉強ができる大学があり、それに学生が引き付けられていることも確かです。自分の人生をより輝かせるために、一度の大学生活を有意義なものとするために、そこに住まうということにまで考えを及ぼして、進学先を丁寧に選ぶようになりました。それを可能にしたのが、豊かさではないかと思っています。
逆に見ると、東京の町や東京の大学は、留学生に選ばれなくなりつつあるのではないでしょうか。東京は世界で一番おもしろい町とか、2度目のオリンピック開催とか言って、日本の中のガリバーとしてあぐらをかいていると、近い将来、どんでん返しを食らいかねないような気がします。その東京にぶら下がっている大学も、多少名が通っているからと言って安泰ではありません。
東京の大学で6年も過ごしてしまった身から見ると、学生たちの選択はうらやましい限りです。