1月21日(火)
毎日上級クラスに入るのはいいのですが、「社会」にかかわる教材を毎週3つ用意しなければならないのがしんどいところです。上級クラスは大半の学生が3月で卒業しますから、卒業後に進学先や就職先で困らないだけの日本語力や社会常識を付けるということが、この学期の授業における大きな柱の1つです。
「社会」といっても、政治や宗教の対立を教室に持ち込むわけにはいきません。クラスのメンバーを見て慎重に教材を選び、授業を組み立てていくということを繰り返していきます。トランプさんの大統領就任も大きなニュースなのですが、授業での取り上げ方は慎重でなければなりません。
かといって、毒にも薬にもならないようなことばかりやっていたら、学生は相手をしてくれなくなります。インコース胸元に大谷張りの速球を投げ込むようなものでしょうか。コントロールが狂ってぶつけてしまっては、何の意味も持たないどころか、破綻にもつながりかねません。
授業で取り上げて、話し合わせたり何かを書かせたりするとなると、クラスの学生の多くが興味を抱くものでなければなりません。そういう教材をいくつも用意するところに、今学期の苦労があります。まだ火曜日ですが、来週を見越してどのクラスで何を使うか、考えている最中です。
少なくとも3月の卒業式までは、こういう生活が続きます。昔の教材を引っ張り出してもいいのですが、そればかりだと卒業する学生へのはなむけにはなりません。卒業した後で、KCPであの授業を受けておいてよかったと思ってもらえるような授業を展開したいのですが、難しいものです。
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