12月12日(木)
久しぶりにお茶室に呼ばれました。このところ、お茶会に来てくださいと声をかけていただいてもお断りせざるを得ない学期が続いていました。たぶん、今年初めてではないかと思います。
誘ってくれたのは、私の初級クラスの学生Jさん。午後クラスの授業が終わった5時半ごろからでしたから、こちらも日本語プラスが終わっており、時間の都合がついたというわけです。Jさんは今学期で帰国します。3か月間茶道部で稽古を積んだ成果を披露してくれることになっていました。
呼ばれた時間の直前に、急に会議が入ってしまい、だいぶ遅刻してしまいました。それでも、待っていてくれました。足の運び方はお師匠のO先生に注意されていましたが、お茶を点てている姿は堂に入ったものでした。茶筅の動かし方など、素人の私の目には、時代劇に出てくる千利休と変わるところがありませんでした。点てていただいたお茶も、午後は意識してあまり水分を取っていなかったので、スーッとのどにしみこんでいきました。
Jさんは、クラスではにぎやかな学生ですから、寡黙に茶筅と茶碗を凝視してひたすらお茶を泡立てる姿など、想像もつきませんでした。知られざるJさんの秘密を見てしまったような、不思議な気持ちになりました。Jさん自身はどうなのでしょう。新しい自分の一面に気づいたのだとしたら、それだけで留学の成果があったというものです。帰国した後でさらに脱皮して、周りの人たちを驚かすかもしれません。
期末テストまで、ちょうど1週間。Jさんは、クリスマスはご家族と過ごすのでしょう。クリスマスケーキに抹茶はつり合いませんが…。
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