12月11日(水)
初級クラスで使役を教えました。昨日のN先生が「明日は使役ですよ。難しいですよ」と前振りをしておいてくださったので、「はい、じゃあ、使役を勉強します」と、いきなり使役動詞の作り方から入りました。今、KCPで使っている教科書は会話を中心にして構成されていますから、こういう入り方は邪道です。教科書の作者も、真っ先に使役動詞の作り方を教えるなどという授業進行は想定していないでしょう。
新しい教科書になってから発話力、コミュニケーション力は伸びたものの、文法の正確性が落ちたのではないかという反省が出ています。それで、今回は、まず、文法から入って、使役動詞の作り方をきちんと覚えてもらおうと思ったのです。N先生の前振りのおかげで、使役とは何かについては予習してきてくれましたから、そこはわかっているという前提で進んでいけました。
前の教科書の時でも、1回の授業で使役が完璧に使えるようにはなりませんでしたから、新しい教科書でもそこまでは求めませんでした。誤変換がだんだん減っていけばいいだろうというくらいの気持ちで取り組みました。作り方を説明し、全体で練習し、次は、「勉強します」⇒「勉強させます」、「本を読みます」⇒「本を読ませます」というように、個々の学生にキューを与えて使役動詞を答えてもらいました(答えさせました?)。これは、ほぼできました。とりあえず、作り方は理解したようです。
そして、短いやり取りの中で使役動詞を使ってみようとなったのですが、これがイマイチでした。微妙なところで間違いが発生するんですねえ。詰めの甘さを感じました。どうやら、勢いでコミュニケーションを進めることが身についてしまい、正確性を追い求める気持ちが薄くなっているようなのです。これが他の文法項目でも同様だったとしたら、JLPTやEJUのような試験で点が取れなくなってしまいます。
私たちの側が新しい教科書を使いこなせていないからなのでしょうが、軌道修正が必要みたいです。年末年始休みは、これが宿題かもしれません。
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