12月9日(月)
Aさんは大学入試の面接が迫っています。EJUの日本語の点数はまあまあ以上ですが、話すのがよくありません。話せないわけではありません。早口なのと口をあまり開けずに話すのとが相まって、非常に聞き取りにくいのです。私は半年以上もAさんと付き合っていますから、Aさんの話し方に慣れています。そのため、Aさんの言わんとしていることがわかってしまうのです。しかし、大学入試の面接官は違います。Aさんの話し方では、10%も理解してくれないでしょう。そういうことを、夏の暑いころからAさんに伝えてきました。しかし、Aさんはどこ吹く風といった感じで、話し方を変えようとはしませんでした。
先週、面接練習をしました。その時、Aさんはその様子をスマホで録画・録音しました。そして、おそらく、自分で撮ったビデオを見たのでしょう。また、面接練習後のフィードバックで、話し方を今までよりもずっと強く注意されもしました。そんなことがあったので、その翌日から、Aさんは授業の際に例文など教科書を読む時には自分を指名してくれと申し出ました。今学期はやる気のなさが目立ったAさんでしたが、実際に指名してみると、本気を出して読んでくれました。
少しでも話す力を付けようとしての申し出なのですか、手遅れ感があります。早口で口を開けずにという話し方で固まってしまって、なかなか聞き取りやすい読み方にはなりません。「え、わからない。もう一度」と何回言われたでしょう。面接に間に合わそうという根性は買いますが、見通しは決して明るくありません。
もっと早い時期から厳しくしつけておくべきだったという反省は残ります。でも、面接までに残された時間で精いっぱい引っ張り上げるつもりです。
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