11月13日(水)
「…外出しないでゆっくり休んでください」という教科書付属の会話スキットの音声を流した直後、Lさんが質問しました。「先生、ガイシツでもいいですか」。一瞬何のことかわかりませんでした。音声をもう一度流してみると、確かに「…ガイシツしないで…」とも聞こえます。いや、ガイシュツよりもガイシツ寄りでした。
私たち日本人は、「シュ」を「シ」と発音してしまうことがよくあります。「胃のシジツを受けた」「けが人をキュウシツした」などというような、厳密にいえば発音ミスを耳にしたり口にしたりしています。これを「胃の史実を受けた」「けが人を吸湿した」などと受け取る人はいません。
だから、冒頭のスキットの声優さんも、日常的に「ガイシツ」と言っていて、それで誤解を生じさせたことは一度もなく、だからこそ、無意識に「ガイシツ」と言ってしまったに違いありません。同時に、教科書の編集者も、この発音に全く違和感を持たなかったのでしょう。
そんな事情を知らないLさんは、発音が間違っていると受け取ってしまったのです。上述のような事情をごくかいつまんで説明すると、「漢字テストの時は?」と更なる質問が出てきました。これは学生としては当然ですね。もちろん、「ガイシュツと書いてください」と答えました。「会話テストは?」「ガイシュツと発音してください」。
答えながら、私はLさんの耳に感心しました。ガイシュツ/ガイシツを聞き分けられたのですから。明らかに違う発音だと感じたので、自信を持って質問できたのです。学期の最初は自信なさげだったのですが、中間テストの前日、学期の半分で力をつけたものです。
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