作文よりスマホ

10月18日(金)

「先生、できました」と言って、Rさんが作文を提出しようとしました。まだ20分ほど時間があります。他の学生はまだ一生懸命課題に取り組んでいました。「もう一度読んで、間違いを1つでも減らしてください」と言って、原稿用紙は受け取りませんでした。

しばらくしてまたRさんの机まで行くと、原稿用紙を机の上に置いてスマホをいじっていました。原稿用紙を取り上げて読んでみると、1行目から漢字のふりがなに間違いがあり、「ょ」を前の字と同じマスに入れてしまっており、さらに助詞の脱落も発見し、とてもじゃないけどそのまま受け取れる代物ではありませんでした。それらの間違いを指摘して、同じような間違いがきっとあるから読み直して訂正しろと命じました。この時点でまだ10分以上時間がありましたが、読み直した様子はありませんでした。

まだ、Rさんの作文をきちんと読んでいませんが、おそらく細かい間違いが山ほどあることでしょう。文構造や段落構成に欠陥が見つかるかもしれません。となると、減点に減点が重なり、合格点が取れないおそれも十分に考えられます。例文レベルならなんとなくごまかせても、作文となると日本語を書く力の差は如実に現れます。

最大の問題点は、気持ちがスマホに行ってしまっていたことです。作文を書く際は、教科書やノートは見てもいいですが、スマホ禁止です。それに耐えられず、作文はいい加減に書いて、一刻も早くスマホの世界に入り浸りたかったのでしょう。

レベルの採点基準に沿って採点してみます。その結果、減点が多すぎて、赤点どころかマイナスの点になっても、その点数をRさんに突き返してやります。

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