前日の面接練習

10月11日(金)

Sさんは明日が入試の面接です。慎重な性格のSさんは、すでに何回も面接練習を重ねてきました。本番前日も、先学期の担任のA先生に面接練習をお願いしていました。

午後から11月のEJUに備えた授業があったのですが、午前中のクラス授業の終了後、「先生、明日、入試の面接なので、5時からA先生と面接練習をしますから、1時半からのEJUの授業は欠席します」と言ってきました。要するに、面接練習の準備をしたいからEJUの授業を休むということです。上述の「慎重」は、これぐらいなのです。普通じゃありません。

外はすっかり暗くなった6時近くになって、A先生に伴われたスーツ姿のSさんが職員室に現れました。明日の服装で面接練習をしたそうです。ここまで来ると、もう「頑張れ」というほかありません。技術的なアドバイスではなく、精神的なエールです。

最後の面接練習も、だいぶ熱が上がったようです。A先生によると、質問によっては話が止まらなくなって、A先生が止めに入ったそうです。最初の頃は、言葉が全然出て来なくて、こちらがSさんに言いたいことを話させて、それを面接の答えになるように作り上げたりしました。それを思えば、話が止まらなくなるなんて夢のような話です。大きく進歩したものです。

Sさんは、自分は日本語ができないと思って、志望校を決める前の4月期あたりから入試の面接を意識して、自分の考えを話す練習をしてきました。確かに私たちも手を貸しましたが、自分で上り詰めたようなものです。明日は今までの練習の成果を出し切って、ぜひとも合格をつかんでもらいたいです。

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