静かな授業

9月18日(水)

私のクラスは期末タスク真っ盛りです。数人のグループになって、各メンバーが与えられた課題についで調べ物をして、それを総合して発表します。昨日から始まったばかりですから、まだ調べ物の段階です。このクラスの学生はよくしゃべるのですが、調べ物の最中は水を打ったように静まり返っていました。鉛筆を動かす音の分だけ、テスト時間中の方がうるさいくらいでした。今どきの学生は、スマホで何かしている時が、一番精神集中できるのでしょうか。

今回のタスクは、ある県についていろいろな角度から調べて発表するというものです。グループ内で役割分担を決めて、各自が調べた結果を持ち寄ってパワーポイントを作り、発表します。もちろん、そこで使うべき(使ってほしい)表現や語彙は、今学期の授業で入れています。ですから、ただ単に調べ物をすればいいという問題ではありません。ネットに書いてあることをそのまま丸写しして発表しても、点数は付きません。それを自分なりに咀嚼して、理解できたことをクラスメートにわかるように伝えるという点に主眼があるのです。

同時に、クラスメートの発表を聞いて、新たな知見を得ることもまた、この期末タスクの目的です。学生が知っている都道府県と言えば、1都1道2府と沖縄県ぐらいでしょう。埼玉県は春に行った川越をピンポイント的に知っているくらいでしょうか。例えば鳥取県などという学生にとって縁遠い県について調べたり、その結果を聞いたりしたら、それはそのまま学生たちの視野が広がることにつながります。

調べ物の最中の静けさが、知的好奇心爆発の前兆現象であることをひそかに祈っています。

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