5月8日(水)
Dさんは日本語プラスの理科系の科目に出ています。しかし、数学も理科も難しいと言います。確かに、物理や化学の授業中の様子を見ても、わかっているような顔はしていません。数学のS先生も、Dさんは苦しそうだとおっしゃっていました。そのDさんが、暗い顔をして、重い足取りで進学相談に来ました。
Dさんは大学で建築か機械を勉強したいという希望を持っています。建築と機械では分野がだいぶ違います。まだはっきり決められないというのが本音なのだと思います。とはいえ、6月のEJUで運命が決まってしまうケースが多いのが留学生入試です。その運命の6月16日まで39日。のんびり迷っている暇はありません。
機械工学を専攻するなら、数学や物理はかなり力を入れなければなりません。AIを搭載したロボットが作れたらいいなあといった夢や憧れだけでは勉強できません。一方、建築は、耐震構造とかという方面は数学や物理をハードに駆使します。しかし、デザインに重きを置いた建築なら、そこまでのハードさは求められません。その代わり、多少なりとも絵の素養は必要でしょうが。
Dさんに聞いたところ、デザイン系の建築も大いに考えているとのことでした。それなら、A大学はEJUの指定科目は日本語だけです。S大学は数学コース1(文科系)で受験できます。K大学は体験入学に参加すればEJU不要で合格証を手にすることができるかもしれません。K大学には、3月までKCPにいたDさんの国の先輩が進学していますから、その先輩から情報やアドバイスが得られるでしょう。
そんな話をすると、Dさんは先月からずっと感じていたストレスが消えたと、笑顔を見せてくれました。自分でも調べてみると言って、雨の中を帰っていきました。こうして早いうちから騒いでいる学生が、結局受験に勝つものです。Dさん、一歩前進かな。
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