実力の偏り

4月19日(金)

今学期の日本語プラスEJUは、6月の本番を目指して実力をつけていくことに集中します。そのため、プレースメントテストを行い、その結果を見てクラス分けをします。受講希望者が最上級クラスからレベル3まで広がっているということもあります。しかし、レベルで機械的に分けると、下のレベルなのにテクニックで点を稼いでしまう学生や、その逆に上のレベルなのに要領が悪くて点が取れない学生などがいて、学生の実力を引き上げられないおそれがあります。そんな意味からも、プレースメントテストで様子を見ていきます。

さて、そのプレースメントテスト。最初にやった聴解・聴読解の時点で怪しい雰囲気が。几帳面にメモを取る学生がいる一方で、ボーッとしている学生もいました。全くメモを取らないのに成績がよかった学生は、数年前に卒業したKさんだけです。Kさんは聴解の天才だったかもしれません。問題にじっと耳を傾け、正解が流れるや迷わずチェックを入れました。それでいて間違いがほとんどないのです。どうしてそんなによくできるのかと聞いてみましたが、笑ってごまかされてしまいました。

残念ながら、目の前の学生たちは、Kさんの足もとにも及ばないようでした。メモを取らない学生は、メモを取る必要がないのではなく、メモを取る能力がなかったのです。解答用紙を見たら、1つの解答欄に2つも3つもマークしてありました。どの選択肢も正しいように聞こえてしまったのだとしたら、重症です。

読解は時間切れが数名。Sさんは最後の7問が空白でしたが、答えた問題で間違えたのは1つだけでした。速読の訓練をすれば、大いに期待できます。一方、Dさんは、読解の解答欄は真っ白でした。Nさんは最後まで答えましたが、正解は数えるほど。2人とも、漢字が読めなくて正解が選べなかったのでしょうか。

採点してみると、予想通り受講生間にかなりの差がありました。しかも、聴解ができない学生、読解ができない学生、入り乱れています。どんなクラスを設定すればいいか決めるのは、大仕事になりそうです。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です