12月24日(木)
授業は終わりましたが、今日も年明け早々に入試を控えた2名の学生の面接練習をしました。
Sさんは、自己主張ができません。大学のパンフレットやホームページに書かれているようなことなら言えるのですが、それがちっとも自分の言葉になっていません。もちろん、大学に入りたい気持ちはあります。将来の目標もあります。でも、それを語れないのです。
「なぜ、本学で勉強しようと思ったのですか」「バランスのいいカリキュラムがあるからです」「あなたの将来の計画を実現させるために、大学で一番勉強しなければならないことは何ですか」「基礎の勉強です」
確かに間違ってはいませんが、いかがなものでしょう。面接練習を離れて、雑談をすると、結構味のあることを言うんです。それを面接の本番で言えよってところなんですが、そうは問屋が卸さないんですね。顔見知りの私が正面に座っても、面接官だと思ったとたんに通り一遍のことしか言えなくなってしまうようです。
Cさんは、話が長いのです。「どうしてこの専門を選んだのですか」「5年前日本に来て、国の交換留学生でしたが、そのときのホームステイのお父さんとお母さんが東京の有名な観光地へ連れて行ってくれて、日本は私の国と違うと思って、日本に興味を持ち始め、いつか日本に留学したいと思うようになって、………」と、練習だからと我慢していたら、5分も話し続けました。そのうち、必要な部分は、どうひいき目に見ても、30秒。以下同文で、将来の計画も最近の気になるニュースも、長いだけがとりえの答えになっていました。
2人とも、志望校で4年間勉強していく力はあると思います。性格的に途中で放り出すこともないでしょう。でも、このままでは入口ではじかれてしまうでしょう。そうならないように、2人には冬休みの宿題を出しました。新年の仕事始めの日に、再度面接練習です。