2月22日(木)
初級クラスの漢字の時間に「絵」が出てきたときのことです。教科書に「絵」「絵本」「絵画」と3つの言葉が載っていましたから、これに付け加えて「絵文字」を紹介しました。「えもじ」という読み方まで教えると、Gさんが「えもじ?」と大きな声をあげました。そして、「先生、同じです」と大発見でもしたかのように叫びました。
Gさんにとっては、SNSなどの文にくっつけるあれは、アルファベットの“emoji”でした。実は、それは元をたどると日本語の「絵文字」なんだと説明すると、「知りませんでした」と、これまた教室中に響き渡るような大きな声で驚きを表していました。
「絵文字」が“emoji”として英語にもなっているということは、情報としては知っていました。しかし、“emoji”を根っからの英語だと信じて疑わない人を目の当たりにすると、こちらの方こそ驚きの声をあげたくなりました。Gさんをはじめ世界中の多くの人々が、絵文字を自国語のごとくごく当たり前に使っているのです。短期間によくぞそこまで浸透したものだと感心せずにはいられません。“emoji”も“kimono”“sashimi”“tsunami”と同じレベルに達しているのです。いや、使われている頻度や範囲を考えると、先輩語を凌駕していると言ってもいいでしょう。
工業製品が日本の名刺代わりだったのは、私が若かった頃の話です。テレビや自動車こそが、富士山同様日本の象徴でした。時は流れ、ポケモンのあたりからソフトな名刺になり、“emoji”に至ったわけです。世界の文化を彩っているのですから、大いに胸を張りましょう。
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