1月5日(金)
学期休み中に学校へ来る学生は、何か問題を抱えている場合がほとんどです。特にこの学期休みは、進路相談が目立ちます。SさんやTさんのようにサクサク話が進み、先生からしかるべきアドバイスをいただいて帰っていく学生がいる一方、HさんやIさんやJさんのように、話がなかなか進まない学生もいます。
どうして話が進まないかと言えば、日本語を忘れてしまっているからです。HさんもIさんも、お正月は同国人の友達と楽しく過ごしたそうです。その間日本語を使うことはほとんどなく、ものの見事にきれいさっぱり忘れてしまったのです。面接練習に来たIさんは、志望理由どころか「お正月、何してた?」といった雑談にも満足に答えられませんでした。Hさんもしかりで、出願書類を書くのに一苦労どころではありませんでした。Jさんは、年末に合格した大学名が言えませんでした。
SさんやTさんは、思考回路が日本語で回っているのです。だから、情報を得て、どうするか考えて、反応するという一連の情報処理をすべて日本語で行っています。もちろん同国人の友人との付き合いもあるでしょうが、生活の土台が日本語なのです。校内で国の言葉を使うのは、教師から新入生などへの通訳を頼まれた時ぐらいじゃないでしょうか。
それに対してHさんたちは、授業のとき以外に日本語を使おうとしません。それでも毎日学校に通ってくれば、24時間おきに日本語の思考回路のスイッチが入ります。ところが、お正月休みの1週間余りは、そのスイッチがずっとOFFでした。こういう生活をしていたら、日本語は伸びませんよ。せめて最後の1学期ぐらい、日本語にどっぷりつかろうよ。
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