ただでは起き上がるな

12月4日(月)

SさんがA大学に落ちたと、担任のT先生に泣きついていました。本人は受かるつもりでいたようですが、現実は甘くなかったようでした。これから受験可能な大学を探し出して、大急ぎで準備しなければなりません。

学生にも楽天家と悲観主義者がいます。Sさんは前者だったようで、受けただけで受かった気になっていたみたいです。しかし、何かが足りなくて、落とされたのです。おそらく、Sさん自身が思っているよりも、Sさんに日本語力は高くなかったのでしょう。筆記試験が悪かったのか、面接でうまく答えられなかったのか、そこまではわかりませんが、楽勝と思っていた大学に落とされてしまったわけです。それを知った瞬間、楽天家Sさんは悲観論者となり、何をどうしていいのかわからなくなってしまったように見えました。

「受験ぐらい何とかなるよ」というぐらいの気持ちでいないと、受験生の精神は持たないでしょう。しかし、それが許されるのは、勉強してきた学生です。しかし、Sさんは根拠のない楽天家でした。勉強不足がたたって、この結果を生んだのです。「もっと勉強しろ」とは、入学以来ずっと言われ続けてきているはずです。「そんなに頑張らなくてもA大学ぐらい受かるよ」という希望的観測が、見事に打ち砕かれました。

Sさんに限らず、人間はだれしも痛い目に遭わないと教訓が得られない生き物です。教訓を次に生かせるかどうかで、その人の真価が見えてきます。T先生に泣きついたSさん、あなたの人間力が測られるのは、これからの受験ですよ。

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