12月15日(火)
期末テストまでちょうど1週間なので、テスト範囲の発表がありました。毎学期、この時期になると、アメリカの大学のプログラムで来ている学生のオーラルテストを受け持ちます。
オーラルテストのポイントは、その学生が今学期までに勉強した文法や語句を使いこなしているか、スムーズなコミュニケーションが図れているかというあたりです。初級の学生でも、ナチュラルスピードについていけるかを見ます。普段接することにない学生の話が聞けるのは、私にとっても楽しみです。
私は学生に余計な緊張を与えないようにと思って、まず、クラスの先生の名前を言わせます。ところが、これが言えない学生がけっこういるんですね。確かに、いつでもどこでも「先生」で通じてしまいますから、先生の名前を日常的によく使うわけではありません。でも、1学期間お世話になってきた先生の名前を覚えていないっていうのは、失礼ですよ。
先生の名前が言えなかったら、「どんな先生ですか」という質問で、その先生を表現させます。一番下のレベルでも、「髪が長くて背が高い女の先生です」ぐらいは勉強していますから、初級は初級なりの、中級は中級なりの答えができるはずです。ですから、この質問にきちんと答えられたら、名前の件は帳消しにします。
これに限らず、「どうして」とか「どんな」とかいう質問で、単語レベルの答えを深く掘り下げようとします。ここで差がついちゃうんですよね。文法や語彙の不足をものともせずに喜々として語り始める学生もいれば、いっこうに話が深まらない学生もいます。後者の学生のテストでは、得意な分野で勝負できるようにいろいろな角度から話をさせようと試みても、さっぱり話題が広がらないこともあります。そうなると、「話す」というコミュニケーションはあまり得意でないのだなと判断せざるを得ません。
今学期は、全員クラスの先生の名前が言えたし、突っ込んだ質問にもそれぞれのレベルに応じた答えが返ってきました。今学期いっぱいで帰国する学生もいれば、来年もKCPで勉強を続ける学生もいます。どの学生も、私のコメントを読んで、さらに会話力を伸ばしてもらいたいです。