10月14日(土)
今学期の日本語プラス初授業は、EJU(日本語)でした。本番が1か月足らずに迫っていますから、過去問をやりました。と言っても、私自身が養成講座の授業やら新学期開始に伴う諸々の雑用やらで、ろくな準備ができませんでした。かろうじて、今朝、聴読解と聴解の問題を聞いて解いて、学生に説明するポイントをまとめたという状態でした。読解には手が回りませんでした。しかし、授業では読解の問題もしなければなりません。そこで、思いっきり受験のテクニックを使ってみることにしました。
今までは問題文を1行目から読み、問題にガチンコでぶつかり、がっぷり四つに組み、正攻法で寄り切ったり上手投げで仕留めたりしてきました。しかし、今回は、立ち合い一瞬のけたぐりとか、八艘飛びで後ろに回ったり、潜って足取りに行ったりとか、けれん味たっぷりの技を繰り出しました。受験のテクニックを使うことにどことなく後ろめたさを感じていましたが、そんなのはすべて忘れて、思う存分駆使しました。
学生に問題を解かせている最中に、私はそういった手練手管を使って答えを出しました。すると、テクニックが通用せずまともに読む羽目に陥ったのはわずかに1問で、15分で25問を解いてしまいました。所定の試験時間は40分ですから、半分以下しか使わなかったのです。問題文は1/3も読んでいないでしょう。結果は、自信がない答えもありましたが、全問正解でした。解説の時間に、学生に私の解き方を教えると、驚きとか感心とかを通り過ぎて、笑っていました。
授業としてはこれでよかったかもしれませんが、受験のテクニックでいともたやすく解けてしまう問題を連ねているEJUは、本当にこれで物の役に立っているのでしょうか。この試験だけで選抜された留学生に日本人学生に伍して大学で学問や研究を進めていく力が備わっているとは思えません。だから、大学独自試験で小論文が課されたり、面接が重視されたりしているのだと、妙に納得できました。
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