8月29日(火)
今学期、Sさんはレベル1が2回目です。中間テストの成績は合格点を取りましたが、まだ安心できる状況ではありません。なにせ、レベル1の後半はて形、ない形、辞書形、た形と、山場の連続です。中間テストが多少よくても期末テストでしかるべき点数が取れるとは限りません。ちょうどて形導入の授業の後で面接でしたから、多少はこのままでは危ないという危機感が芽生えていたかもしれません。中間テストの直しも、真剣に取り組んでいました。
そのSさんに、自宅学習の状況を聞きました。毎日1時間、宿題が中心だそうです。宿題以外にどんな勉強をしているかと突っ込むと、「単語を覚えます」という答えが返ってきました。その覚え方を聞くと、スマホのアプリを使うと言います。そのアプリを見せてもらいました。見ると、単なる単語リストでした。その単語リストを見て覚えると言います。
何もしないよりはましでしょうが、単語リストを見てその単語が頭に入るのなら、日本語学校なんかに通う必要など全くありません。でも、今のSさんの単語力は、下から数えたほうが早いです。そんな単語力で進級しても、授業についていけないことは明らかです。単語リストを見て勉強したつもりになっているのだとしたら、今後の伸びも期待できません。
そこで、覚えた単語を使って文を作ることを提案しました。そのための練習問題集も見せて、それを買って毎日やってみるようにと言いました。問題集の写真を撮り、それを紀伊国屋あたりで見せれば、同じものが手に入るでしょう。その問題集をコツコツやっていけば、勉強時間も増え、必然的に日本語に触れる時間も長くなり、上述の山場をどうにかこうにか乗り越える目も出て来そうです。Sさん、ちゃんと挑戦してくれるかな。
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