7月31日(月)
上級クラスで漢字のテストをしました。書き問題の中に“驚”がありました。授業で取り上げていますからできて当然なのですが、残念な結果に終わりました。簡体字を書いてしまう中国の学生がいることは予想していましたが、“驚”の下半分、“馬”が書けない中国人学生が続出したのです。縦棒の数が多すぎたり、横棒の数が足りなかったり、“易”みたいにかいてしまったりと、各人各様と言っていい状態でした。
もちろん、間違えた学生たちも、日本語の漢字の“馬”は読めるし意味もわかるし、読解のテキストなどに出てきても、理解の妨げになることはありません。“驚”も同様です。でも、日本語の漢字を手書きすることはめったになく、そのため漢字の形を正確に覚えなくても何ら支障を来しません。それゆえ、油断していたのではないでしょうか。学生たちの答案用紙には、いろいろな“馬”を書いては消し書いては消しした跡がありました。相当苦しんだものと思われます。
私だって、“鬱”は読めるし意味もわかりますが、書けません。私にとっての鬱が、学生にとっては馬だったに過ぎません。また、日本人だって、今時、漢字の一部としてでも、“馬”を手書きすることはめったにありません。ですから、“驚”が書けなかったからと言って、驚くに値しません。あまり激しく学生を責めてはいけないのかもしれません。いや、でも、“馬”が書けない中国人が何人もいたことは、少なからずショックでした。
そんなことがあったにしても、ほとんどの学生が合格点を取りました。やっぱりというか、さすがというか、だてに上級クラスにいるわけではありません。
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