7月6日(木)
今学期私が担当する上級クラスは、先学期のクラスで考えると大きく2つのグループから成り立っています。お互いほとんど接触がなく、何も手を打たないとクラス内に壁ができてしまうかもしれません。ですから、始業日恒例の自己紹介に代えて、数人ずつの小グループをいくつか作り、そのグループのメンバーの顔と名前を覚えるようにと指示を出しました。
ここまで言えば、上級の学生ですから、名前を言い合ったり簡単な自己紹介を始めたり、さらには雑談に発展したりと、グループのメンバーを自分の頭に印象付けようと工夫をしていました。メンバーを組み換えると、1回目より要領よく顔と名前を覚えようとしていました。
もう少し詳しく観察すると、グループ内で自然発生的に生まれたリーダーがノートか何かを回して、各人の名前を書かせているところと、そうではなくて、音やリズムを頼りに顔と名前を一致させようとしているところがありました。上級だとやはり文字を介したほうが覚えやすいのでしょうかね。
私が新しいクラスの学生の名前を覚えるときは、名前に特徴的な漢字が含まれていたら、その漢字をキーにして顔と名前を記憶します。名前の読み・発音が独特なら、それと顔を紐づけます。外見が印象深かったら、もちろん、それが幹となり、名前その他がそれにぶら下がります。
このクラスでは、文字派が若干優勢でした。最後にクラス全員の顔と名前を覚えましょうということになったら、「先生、ホワイトボードに1人ずつ名前を書いていってください」ということになりました。過程はどうであれ、クラスのみんなが、みんなの名前を覚えて仲良くなってくれたらそれで目標達成なのですから、言われたとおりに名前を書きました。
クラスメートの名前を覚えてくるのを宿題にして、明日のM先生に引き継ぎました。M先生は、明日の朝いちばんで、「この学生はだれ」とやってくださることでしょう。
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