11月14日(土)
今週は、大学で日本語教育を学んでいる学生さんたちが実習に来ています。初級のクラスに入って、来週は教壇にも立つ予定ですが、日本語教育の現場全般を見るということで、私の超級クラスにも見学に来ました。まず、読解の授業を見、その後、新聞記事を読んで、グループに分かれてその内容について意見を交わすという授業に参加してもらいました。読解も会話も、初級との差が際立つ授業だろうと思い、見学してもらいました。
授業が終わってから感想を聞いてみると、まっ先に語彙が全然違うという声が挙がりました。そりゃそうですよね。授業や学生各自の勉強で日本語の文章に触れる分量が初級とは桁違いだし、こちらも意識して難しい言葉を入れていますから。後半の新聞記事を読んで会話する授業だって、そこに出てきた語句の説明はほとんどせず、意見を交し合えるくらいに内容が理解できているかを確かめるだけでした。でも、学生たちは、記事の言わんとしているところはちゃんと把握していました。また、私が語句の意味を聞くと素早くわかりやすい言葉で言い換えて答えていたことにも感心していました。これまた、日頃の訓練の賜物です。
それから、テキストを読ませた時にアクセントを間違えてもすぐに自分で気付いて言い直していたことがすごいという声も。毎日、重箱の隅をほじくり出すように注意してきましたからね、その成果が現れたってところでしょうか。学生たちも、日本人と同じようにしゃべれるようになりたいと思っていますから、こちらの注意を素直に受け止めてくれます。それが積もり積もってこういう評価になったのです。
授業の最後に、話し合った内容をグループごとに発表しました。どのグループも、私が決めた制限時間の1分前後でまとめていました。これもまた驚きの対象だったようです。同時に、クラスの学生+実習生の20名からの聴衆に対して物怖じせずに発表していたことにも感心していました。毎週、プレゼンテーションをしている成果が実っているのでしょう。
学生たちにとって、実習生という“お客さん”を迎えての授業は刺激的だったと思います。張り切っている姿がうかがえました。そして、私のようなしょっちゅう顔を合わせている人間ではなく、実習生の皆さんのこういう感想を聞いたら、自分の日本語により一層自信が出てくるんじゃないでしょうか。