雑談の中に

12月15日(木)

学期末になると、次の学期から受験講座を受ける学生に向けて、説明会を行います。対象者の大部分が初級ですから、普段顔を合わせる機会がない学生が多いです。

Aさんは、東京の冬はとても寒いと言います。広東から来たそうですから当然ですね。今朝の東京の最低気温は3℃、練馬は0.8℃でした。広東は、どう考えてもそこまで下がらないでしょう。それに、東京の家の造りは、広東同様、夏の暑さをどうにかしのぐことを第一に考えられています。ですから、エアコンで冷暖房完備となっても、冬は寒いのです。少なくとも、北海道の家の中のように、冬は半袖などということはありません。

そんな雑談をすると、へーえという顔をします。初級の教室だと、教科書の範囲から大きく踏み出した日本語を使うことはあまりありません。クラス全体をついてこさせるとなると、東京の家の造りはあまりいい話題ではありません。しかし、受験講座となると、教科書や教室の日本語を応用して、広範な話題について吸収したり自ら発信したりする必要に迫られます。東京の家の造りは、その第一歩でしょう。

Bさんは実によくしゃべります。初級なら、クラスで一番かもしれません。そうなると、ちょっと込み入ったことを話させてみたくなります。また、普通の日本人の話し方の、文法だけやさしいバージョンで話しかけて、ほんの少し、上級会話を味わわせてみたくもなります。Bさんは、ちゃんとついてきました。受験講座の先生の話を理解するんだったら、これくらいこなしてもらわないとね。

進学しても困らない日本語力というと、こんな実戦日本語力とでもいうような、聞いたり話したりする力も必要です。EJUなどでいい点数を取らせるだけが受験講座ではありません。

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