12月12日(月)
Sさんがまた遅刻しました。朝一番でテストがあったにもかかわらず、来たのは授業の後半からでした。朝のテストは授業後に追試という形で受けて帰りましたから、テスト回避のために遅刻したのではありません。もっとも、その追試の成績が不合格でしたから、週末にきちんと勉強したとも思えません。
Sさんは新入学の学期、どうしても受験講座を受けたいと言って、わざわざコースを変更しました。ずいぶんやる気のある学生だと思って見ていました。6月のEJUでは、日本語・読解で最高点を取り、上位校に手が届きそうな成績を挙げました。しかし、日本語しか受けていなかったため、この成績で受験できる大学は限られます。そういう大学でも、合格を1つ確保してくれればと思っていました。7月のJLPT・N1にも合格したあたりまでは、順調な留学生活でした。
ところが、先学期あたりからだんだん様子がおかしくなってきました。遅刻や欠席が増え、理由を聞くと試験勉強だと言います。最近は不安で眠れないとも言い始めました。今は、生活のリズムが完全に崩れてしまい、何事にも力が入らない様子です。授業中の発話や例文、作文などのアウトプットは、典型的なできない学生のものになってしまいました。
今のSさんは、学校の勉強も受験勉強もどちらも手につきません。そして、ついついアニメなど自分の好きなことに時間を費やしてしまい、気が付くとさらに焦りが募ってしまいます。どんどん深みにはまり込んでいきそうな感じがします。どこかでこの負のスパイラルを断ち切らないと、どうにもならないまま受験シーズンを終えることにもなりかねません。
現時点での期待は、11月のEJUの結果です。Sさん自身の予想よりも好成績だったら、潮目が変わるのではないかと望みをかけています。
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