11月25日(金)
KCPの学生、特に上級まで来ている学生は、多くが日本で進学します。となると、文系理系を問わず、進学してから必要な日本語力は、まず読解力です。教科書の内容が理解できなかったら、勉強も何もあったものではありません。1年生から2年生に進級できないでしょう。
金曜日のクラスでは、先週読解の予習のしかたを教えました。その予習がどのくらい浸透しているかと思ってふたを開けてみたら、全くでした。「“こうした”は何を指しますか」「この段落の“現場の教師”って、やさしい言葉で言うと何ですか」「“同様”って、何が同じなんですか」などと立て続けに聞きましたが、教室がお通夜よりも静まり返ってしまいました。先週熱弁したかいもむなしく、学生たちは単語を調べただけでよしとしてきたようです。
そして、本当に単語しか見ていないんですねえ。私に質問されて慌ててその前後を見渡しますが、せいぜい1行上までです。3行上の内容にかかわることは、お手上げ状態です。私の板書を感心しながらノートに書き写すだけでは、読解したことにはなりませんよ。
このクラスには、すでに大学院や大学に合格して、進学先が決まった学生もいます。そういった学生も、目先の単語しか見ていません。日本語学校を出たら、日本語をじっくり学ぶ機会はありません。進学先では、日本語を武器として学問を進めていきます。その武器が竹光だったら、留学失敗疑いなしです。
卒業式まであと4か月ほどです。これからよほどの奮起をしないと、夢が夢のままで終わってしまいます。
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