10月13日(木)
Oさんは大学で情報工学を勉強しようと思って、来日しました。志望校も、R大学情報理工学部やT大学情報工学部などを挙げています。しかし、Oさんは国で数学や理科の勉強をほとんどしていません。そういう特徴の高校だったそうです。数学は中学どまりだと言っていました。
残念ながら、R大学もT大学も、受験するにはEJUの数学コース2が必要です。中学どまりの数学では、全く太刀打ちできません。今すぐ勉強を始めても、来年6月のEJUに間に合うかどうかわかりません。R大学は、前期試験は6月の成績で出願しなければなりませんが、後期なら11月のでも出願できます。しかし、一般に後期は入りにくいですから、できれば前期に出願して、来年の今頃には合格を勝ち取っていてもらいたいです。とはいえ、数学がゼロに近かったら、無理でしょうね。
Oさんに限らず、国の高校で理数系の勉強をしてこなかったけれども、日本で理系の勉強がしたいという学生がじわじわ増えているような気がします。理系学科で勉強すると就職に困らないという意識があるのでしょうか。でも、理系の勉強に数学は欠かせません。少なくとも工学部は、数学ができなかったら、ラッキーで入学できても、進級できません。学生たちの母国でもそれは同じだと思うんですがねえ。いや、それが強すぎて日本に流れてきたのかもしれません。
情報理工学部というと理系の色が濃いですが、情報学部というと、学際的ないしは文系寄りの空気も感じられます。Oさんが情報工学部でどんな勉強をしたいのか、将来何をしようと思っているのかわかりませんが、その内容によっては、数学が弱くても光が見いだせることだってあるでしょう。
入学早々のOさんは、これからです。じっくり相談に乗って、日本に留学してよかったと思ってもらえるように進路指導をしていきたいです。
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