7月19日(火)
Nさんは大学院進学を目指している学生です。昨年度は中級で受験だったこともあり、志望校には手が届きませんでした。入管の特例措置で、来年3月までKCPで勉強することになっています。ただ、Nさんの志望校はかなりレベルが高いですから、上級で挑んだとしても楽な戦いにはなりません。
そんなNさんの進学準備の進み方が、実に危うい状況に陥っているということがわかりました。最大の問題が、日本語で書いた論文を提出しなければならないのですが、その進捗状況がほぼゼロだという点です。Nさんの専門で、日本語での論文が不要な大学院も多数ありますが、今のところ、Nさんは妥協するつもりはなさそうです。じゃあ、論文がすらすら書けそうかというと、これまた違います。題材を決めて、材料を探して、論文として組み立てて、日本語としておかしくないかチェックして、…という段階を1歩も進んでいますん。Nさん自身、それは痛いほどわかっています。
入試は11月と言います。すると、遅くとも10月には出願でしょうから、現時点で1行も書いていないというのはかなり厳しい状況です。でも、論文提出が不必要な大学院については、何も調べていないに等しいです。本命校だけがあって、滑り止めが全く考慮されていません。危ういことこの上もありません。
こんなことがわかったのは、別件でNさんを呼び出してあれこれ話を聞きだしたのがきっかけでした。その別件なんか枝葉末節に思えてしまうくらい、Nさんはとんでもない状況にあります。“いい学生”の部類に入る学生でしたから、今までずっと、Nさんの「大丈夫です」を信じてきました。しかし、これからは第一級の要注意学生です。Nさんみたいな表面上“いい学生”がいないかどうか、再点検しなければなりません。
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