6月3日(金)
午前の授業後、Cさんが数学の質問に来ました。ある式の誘導がわからないというものでした。別の仕事をしている最中でしたから、問題を書き写し、後で答えることにしました。その仕事が終わり、時間に余裕ができたのでその問題に取り組むと、あっという間に答えが出てしまいました。
問題が簡単に解けたのはいいのですが、今度が逆に、Cさんはどこまで真剣にこの問題に取り組んだのだろうという疑念が浮かんできました。式の変形の際に、ほんのひと工夫しただけで結論の式が得られました。私に聞く前にどのくらい時間をかけてこの問題に取り組んだかわかりませんが、Cさんならできて当然のレベルの問題だと思いました。
根を詰めて一つのことを考えていると、問題のとらえ方が固定されてしまうことがあります。もしかすると、Cさんもそんな無限ループみたいな状況に陥っていたのかもしれません。そういう時はしばらく時間を空けて再挑戦してみると、あっさり解決することがよくあります。Cさんはそれができなかったのかな。
と考えた時、大きな疑惑が湧き上がってきました。Cさんが来たのは、授業の直後でした。ということは、もしかすると、Cさんは授業中ずっとこの数学の問題を考えていたのでしょうか。問題の数式がスマホの中だったことも、教師の目を盗んでやっていたことを表しているのかもしれません。学生が信じられないとは情ない限りですが、Cさんは去年の受験シーズンにそういうことをやらかした“実績”がありますから、疑いを完全にぬぐい去ることはできません。
Cさんには、式の誘導のしかたをメールで送りました。疑心を抱いたことはおくびにも出さずに…。
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