末端の戦い

4月12日(火)

今学期はぱらぱらと新入生や先学期までのオンライン学生が新たに学校へやって来ています。以前のような統一的なオリエンテーションができなかったからでしょうか、毎日事務の受付が混雑しています。ちょっと密かなと思える時間帯もあるほどです。

その中の何名かは、受験講座を受けたいと言っています。本当は昨日から始まっていますが、今すぐ受講を始めるなら傷は浅いです。十分挽回可能です。6月19日が今年第1回のEJUですから、それに間に合わそうという意識が強いのだと思います。

そういう学生が多いことは、学校としては好ましいことです。しかし、今までにどれだけの勉強をしてきたかわからないまま教えるのは、教師としては恐ろしいものがあります。数学や理科の場合、ゼロから始めたら、2か月ではEJUのレベルには届きません。受験したというアリバイは作れても、その成績を生かして各大学の独自試験に挑むというレベルには及びません。

だから、国でどのくらい勉強したか、勉強したことがどのくらい頭に残っているかを学生本人に聞いています。Gさんは去年のEJUを国で受けたと言います。成績を聞くと、数学も理科も平均点をいくらか上回るぐらいは取っています。それなら、直前対策タイプの授業でもついてこられるでしょう。数学は勉強したけれども、すっかり忘れてしまったと言っているJさんには、今学期は総合科目に注力してもらうことにしました。総合科目で箸か棒に引っ掛かりそうな点数が取れたら、11月に向けて数学の勉強を考えてもらうことにします。

2023年度入試は、日本語学校の在籍期間を延長した学生が少なからずいますから、上位校ほど厳しいことが予想されます。その戦いの末端が、KCPの事務の受付で行われているのです。

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