4月7日(木)
始業日です。始業日といえば教科書販売です。午前も午後も教科書売り場を担当しましたから、教科書を渡す時を利用して、昨日以上にしげしげとオンラインで教えた学生を観察してしまいました。「あなたがTさんか。去年の今頃は日本語が全然わからなかったのに、今学期は中級? 早いねえ」なんていうやり取りを何人かとしました。やっぱり、立体的に見えて生の声が聞けて、タイムラグなしで言葉を交わせるって、盛り上がりますね。
さて、私個人的には、教科書販売は忙しくも楽しかったのですが、若干由々しき事態が発生しました。それは、教室に財布を忘れたという学生が多かったことです。クラスの先生が教科書販売の場所まで学生を連れて来る際に、財布を忘れるなと言っています。昨日までに、教科書代としていくらぐらい必要かも伝えています。教室で教科書の説明もしています。にもかかわらず、中級・上級で数名の学生が財布を持って来なかったと、教室まで取りに戻りました。
今までそういう学生が全くいなかったわけではありません。しかし、こんなに続々と出てきたのは、私の知る限り初めてです。注意力が散漫なのか、聴解力が弱いのか、状況把握ができないのか、いずれにしても教科書を買いに行くのに財布を置いていく学生がこんなにいたとは気懸かりです。先生の言葉が理解できなかったとしたら、これからの授業はどうなるのでしょう。今学期末に控えているEJUやJLPTにも暗い影を落としかねません。中級・上級の学生にいたというと、夏ごろから始まる大学院入試も心配です。
ここまで考えたところで、もしかすると、こういう学生たちは財布からお札を出して物を買うという経験に乏しいのではないかと思い至りました。普段、○○payで支払いを済ませていると、買い物と財布が結び付かないでしょう。お金を知らない子供がいるということも聞いたことがありますが、学生たちもその仲間なのかもしれません。
そういうことも含めて外国から来た留学生を鍛えていくのが、日本語学校の仕事です。
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