今ごろどうしてるかな

4月4日(月)

東京の日本語学校に入学する留学生の多くは、漠然と東京で進学することを考えています。東京大学とか早稲田大学とかの憧れレベルから始まり、そこが無理ならMARCH、そこも難しかったら、それでも都内にというように志望校を選んでいく人が大半と言っていいでしょう。マンガ・アニメ関係なら京都精華大学をはじめ、京都の大学も有力な進学先になりますが、それ以外は、何はともあれ東京です。

Sさんもそんな学生の1人でした。横浜まで出るのが精一杯でした。しかし、自分の本当の実力を知ろうとしたのか、最後の最後に東北大学を受けました。受験直後は受かる可能性はないと言って、すでに権利を確保してあった都内の大学に進学する準備を始めていました。ところが、合格してしまいました。多少悩んで、結局、仙台へ行くことにしました。日本人の目からすれば悩むまでもなく東北大学なのですが、やはり東京に未練があったようです。仙台は小さな町だと言っていました。

でも、仙台で4年間暮らしたら、絶対仙台を離れたくなくなります。学問的にもそうでしょうし、町の魅力に取りつかれることは疑いありません。仙台が小さな町なのではなく、東京が肥大しすぎているのです。世界の潮流に取り残されることなく、ほどほどに田舎で心身ともにくつろげる町と言ったら、仙台や福岡、あるいは札幌か広島あたりではないでしょうか。名古屋はぎりぎりこのグループかな、それともちょっと大きすぎちゃってるかな…。

そのSさん、先週末に仙台へ旅立つ前にあいさつに来てくれました。名残惜しそうに、会う先生ごとに「ありがとうございました」「お世話になりました」と言っていました。

仙台は、これから花の季節です。満開の桜に迎えられての入学式かもしれません。それを見ただけで、東京よりいい所だと思うんじゃないかな。

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