午前と午後の差

2月2日(水)

今学期は、水曜日は朝から夕方まで受験講座数学です。日本語の授業時間の関係上、午前中が中級の学生、午後からが上級の学生を、それぞれ対象にしています。

中級クラス、上級クラスとも、同じ教材を使っています。進度も変えていません。しかし、授業のペースが全然違います。中級クラスは話すスピードを落としたり、指示が通らないので同じ話を繰り返したりなど、遅れる要素が次々と出てきます。それに対して、上級はサクサク進みます。しかし、質問も多く出てくるし、それに合わせて応用的な話もしますから、結局、中級クラスと同じぐらいの進み具合になります。

数学は数式やグラフを追いかけていけば、ある程度は内容が理解できるはずです。中級クラスの受講生が上級クラスに比べて数学的センスが劣るとは思えません。それなのに授業のペースが違う、中級クラスは内容が深まらないとなると、日本語で教わることが学生たちのネックになっていると考えざるを得ません。

美大の先生が、絵を描く技術や素養があっても、日本語力がなかったら指導のしようがないので、日本語のできない学生は合格させないとおっしゃっていました。確かに、中級でも大学などに合格した学生は進学していきます。しかし、進学先でどれだけ有意義な勉強をしているでしょう。私の数学でも、進度は同じでも伝えている情報量には差があります。数学ですらこうなのですから、読解力や表現力などが要求される科目だったら、あっという間に置いていかれてしまうでしょう。

これは、教師の側こそが存分に理解していないと、学生をそういう方向に引っ張れません。学生に日本語「で」勉強させる経験が必要です。

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