12月11日(土)
今学期私が担当しているレベルの読解の教科書で使われている文章のうち、2つは私が書いたものです。理科系的な内容を、専門性も損なわず、中級の学生でも理解できる日本語で表すというのは、決して楽な仕事ではありませんでした。
同じ内容を理科系の受験講座を受けている学生に話すのなら、ある程度のところまでは暗黙の了解みたいな共通認識に基づいて進められます。むしろ、多少の専門用語を織り込んだり、数式で表現したりした方が、聞き手の学生の勉強になります。しかし、文科系や芸術系の学生も相手だとなると、いや、そちらの方が主力だとなると、専門用語や数式を振り回すのは慎まなければなりません。それでいて、専門的技術的な事柄を、可能な限りはしょらずに、中級の日本語で伝えていくのです。私自身、ずいぶん勉強し直しました。
最近、「文系のためのめっちゃやさしい○○」というシリーズの本を読んでいます。“○○”には、化学、物理、微分積分、人体などの項目が入ります。新しい知識を得るというよりは、知識の表現のしかたを勉強しています。その“表現”は文章に限らず、視覚への訴え方も含まれます。つまり、どんな図を見せればこちらの思いが伝わりやすいかも勉強させてもらっています。
このシリーズであれこれ勉強したら、次は何を書きましょうかねえ。受験講座の資料もいくらか見直したくなりました。かみ砕いて説明するという点においては、日本語教師養成講座にも通底するものがあります。先月EJUが終わってから、私が担当する受験講座が激減しました。その時間的余裕を、こういう面に振り向けています。
日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ