もうすぐです

11月11日(木)

私のクラスのHさんは、4月から国でオンライン授業を受けています。先学期のように全員がオンラインの時期もあれば、今学期のように対面授業にオンラインで加わることもありました。私たち教師は対面の学生とオンラインの学生の間に差が生じないように気を使っているつもりですが、完璧とは言い難いと思います。ネットの状態が悪い日もありましたし、教師の操作ミスで“???”となってしまったこともあったでしょう。カメラの切り替えを忘れて、教室の学生の顔を映したまま、ホワイトボードを使って説明を始めてしまうなどというのが代表例でしょうか。

そんな悪条件をものともせず、Hさんは、画面いっぱいに顔を映して、毎日授業に参加します。テストの際に顔をゆがめて問題に取り組んでいる様子が大写しになると、思わずヒントを出してあげたくなります。必死にノートを取り、大きく口を開けてコーラスし、チャンスを捕らえて発言し、誰よりも前向きに授業に参加しています。

そんなHさんに、ようやく入国のチャンスが巡ってきました。年内に入国できる線が見えてみたのです。それに関する校内の説明会が明日開かれます。もう通知は届いているはずですが、授業終了間際に画面を通してHさんに確認を取りました。「もうすぐ日本へ来られるね」と声をかけると、今まで見せたことのない笑顔でこっくりとうなずきました。本当に待ち焦がれていたのだなあと思いました。

東京の新規感染者は、先週より17名増えたとか。このまま、また急カーブで増加するなんてことはないでしょうね。国の方針が変わって鎖国に逆戻りしたら、Hさんだって心が折れてしまうかもしれません。明日は減少傾向に復帰することを祈っています。

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