去る人

9月27日(月)

白鵬がついに引退するようです。36歳で、膝をはじめ体中いたるところにけがを抱えています。体力的にもう限界なのでしょう。今場所は白鵬の部屋で感染者が出たため出場停止になりましたが、内心ほっとしていたのではないかと思います。

白鵬が強い横綱だったことは疑いようがありません。優勝回数、幕内勝利数、横綱勝利数など、多くの記録を塗り替えました。1位になれなかったのは、連勝記録ぐらいではないでしょうか。しかし、高く評価する声ばかりではありません。取り口が汚いとか、相撲の伝統を知らないとか、批判的な評価も多いです。そういう者が親方になって弟子を育てられるのかという疑問すら上がっています。

でも、私は白鵬の功績を大いに認めます。朝青龍が暴行事件を起こして去った後の相撲界を支えたのは、明らかに白鵬です。その間、相撲界そのものが本場所も開けないほどの危急存亡のときを迎えました。白鵬がいなかったら、その危機を乗り越えられたかわかりません。

問題は、今後です。土俵上は、ちょうどうまい具合に照ノ富士が横綱になりました。しかし、2人の大関は8勝7敗だし、それ以下に照ノ富士を脅かしそうな力士も見当たりません。中心となるべき照ノ富士は29歳、いつまでもつかわかりません。また、白鵬自身、相撲界においてどういう地位を築いていくのでしょう。毀誉褒貶が激しいですから、組織の中で生き抜いていけるのか心配です。貴乃花が結局やめてしまったという例もあります。

白鵬はいろいろありましたが、大きな足跡を残しました。心から「お疲れさまでした」と声をかけようと思っている方も多いでしょう。しかし、同じくもうすぐやめる菅さん、あんたはどうなんですか。「お疲れさまでした」と言ってもらえるほどのことを成し遂げましたか。

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