9月15日(水)
Lさんが今学期いっぱいで退学します。Lさんは4月にKCPに入学したものの、来日できずにオンラインで授業を受けています。まじめで積極的で好感の持てる学生です。来日したら、ぜひ実際に会って話をしたいと思っていた学生です。
理由は明快です。来日できる見通しが立たないからです。来年4月の大学進学を目指していましたが、この分では本当に進学できるかどうか全然見えませんから、国で進学することにしたとのことです。Lさんほどの学生が熟慮の末に至った結論なら、残念ですが、受け入れるしかありません。
国で進学するにしても、Lさんは大学での勉強開始が1年遅れてしまいました。日本語力は確実に伸びましたから、この半年間がまるっきり無駄だとは思いません。Lさん自身、大学は国だけど、大学院は日本でと考えているようですから、先行投資だと思えないことはありません。でも、本当のところ、どうなんでしょうね。
去年のように11月ごろに入国可能になるかもしれません。ですが、それは希望的観測に過ぎず、それを根拠にLさんを強く引き留めることはできません。Lさんも、そういうことも勘案して、ぎりぎりの判断をしたに違いありません。だからこそ、その決定を尊重したいです。
Lさんのように、人生設計を立て直さなければならない留学生が大勢いることでしょう。日本の政府は何をしてきたのだろうと思わずにはいられません。未必の故意とまでは言いませんが、ベストかそれに近い手を選んできたのだろうかと、疑いの目を向けたくなります。
その政府の頂点に立つことになる人を、選挙の顔という、個人の都合のレベルで選ぼうとしている人たちが暗躍しています。Lさん、日本へ来るのは4年後ぐらいがちょうどいいかもしれませんよ。
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